VOLBoX > 240 > ワンオフ物(スピーカー&手摺り編

※このページでは、かなり特殊な内容が書かれています。プロ(大工さん・家具屋さん・オーディオ店)に同じ仕事を頼もうとしても断られると思います(内容は、ものすご〜く濃いです)。また、同じ原材料を入手しようとしても不可能な物も一部含まれています。
だけど、どうしても作りたいと思うのでしたら・・・ 掲示板等で相談して下さい。出来る範囲でご協力いたします。

材料の入手

材料は、知り合いの「銘木店」から頂きました(もちろん、普段は買ってますが今回は特別と言うことで・・・)
使う材料は、ボディカラー(シルバー)との相性から「メープル」を選びました。
メープルと無機質な素材(コンクリートや金属)との組み合わせは、現代建築の定番です。
材料は、角材から板材まで全てムク材を用います。
車内の環境を考慮すると、木材の乾燥完璧な塗装が絶対条件となります。
今回用意した材料は、10年以上の乾燥材(一部には、ウン十年ものも有り)。
塗装は全11工程からなるミラースムーズフィニッシュの2液ウレタン塗装です。

木のお勉強

メープルです。
何かに加工されたようなので表面を仕上げられていました。
塗装後に10〜20年は経過しているようで、塗膜は黄変しています。
当然・・・それ以前に乾燥工程も有るはずですから、製材されてから何年経っているかは不明です。
赤い矢印が縮杢です。
特に珍しい木目ではないのですが、個人的には好きな木目です。
塗装が上手くできると貝殻のような光沢を出し、高級感が出てきます。
黄色い矢印がバーズアイ(鳥眼杢)です。
特に珍重され、入手は困難になってきています。
この写真では少ししか入っていませんが、これが一面に入ってくると材の値段は時として値段が付けられない事もあります。
燈色の矢印は、普通の板目です。
普通のメープルはこれしかないと思って下さい。
元々が何かに加工されていた材料ですから、木目そのものは当たりの材料です。
木目の良いところを狙って、手すりの一部とします。

乾燥は大事

まず、木材を平らにします。
手押し盤と呼ばれる機械を用い角材の平面と、カネ(直角)を出します。
この材料は黄色の矢印が低く、赤色の矢印が高くなっています。
塗装の削れ方から判断すると、捻れの力も加わっている様です。
また、この様な木材の情報(曲がりや捻れ)は、木取りの際の重要な情報源となります。
いずれ、どの方向に木が曲がるかを予測して、材料を適所に配置します。
この材料(上部のコメント参考)は一度加工されたときに平面はとられているハズですが、長い年月でこれだけ狂っています。
基本的には「乾燥時間は長ければ長い方が良い」事となります。
しかし、写真の材料の狂いは許容範囲です。
十分な乾燥時間の後に加工されたと思って良いでしょう。

材料の結合

手すりは、2種類の材料を剥いで作成します。
これを作成するに至った大きな理由に、「純正の形状では大きなスピーカーが入らない」事がありました。
全体に純正よりも小振りな大きさとするのですが、使い勝手が落ちるのは困ります。
あくまで純正風に作成します。
接着だけでは不安なのでダボも使用しました。
引き手部分は横方向からの力が強くかかるので特に有効と思います。

剥がれては困ります

上部の材料と、下部の材料を接着しています。
接着剤は普通の木工用ボンドを使っています。十分な接着面が確保できているのと、ダボの併用によって強度は十分出ています。
しかし、仕上がりの質感を重視するために圧着は十分に行います。

中間作業が無いですが・・・

本当は、この間の作業を紹介しないといけないんでしょうね。だけど省いちゃいます。
#150の紙ヤスリで形を整えてから、#400(水研ぎ)で仕上げます。
完璧な仕上がりにするためには、ここまでの作業を丁寧にしておく必要があります。
初期の木材の狂いを取るために、圧着作業から2ヶ月後に研磨に入っています。
塗装の乗りをを良くするために完璧な乾燥をしておきます。

ここまでに使用した道具など

一般的に入手可能
◆紙ヤスリ#150、#400(淡水ペーパー)
◆グラインダー(#120ローリング紙ヤスリ)
◆はた金(圧着工具)

木工専用工具
◆昇降盤(大工さん、建具屋さんが持ってます)
◆自動カンナ(建具屋さんが持ってます)
◆角のみ(建具屋さんが持ってます)


スピーカーの取付部の作成 本命の材料

今回の、材料の目玉です。メープルの希少材「バーズアイです。」
写真の小さなツブツブがいくつも入っています。
しかも、色彩も通常のメープル材よりも赤みが強いため希少性は更に上がっています。
色々な種類のウッドパネルがあると思いますが、このパネルは希少です。
今の車でムク材でここまでの大きさのパネルを入れている物はありません。

純正では10cm級が限界

240の純正スピーカーが小さくなってしまうのには2つの理由があります。

1):パネル内の段差の関係から10cmが限界。
写真の取付穴の下には高さ1cmほどの段差(赤矢印の周辺)があります。これを広げないとスピーカーは付きません。

2):手すりとスピーカーが干渉する。
(1)の問題を解決してもまだダメです。取付穴の左上には手すり(黄矢印が取付位置)が付いています。これを逃げる為に右側に移動させようとするとダッシュボードと干渉します。
手すりを外して、スピーカーは移動して取り付けします。

04/11/29加筆
もう少し簡単にユニットを大きくする方法がありました。詳しくは後日!

多重構造

音を良くするためには、強度と適度な吸振が重要です。
2枚のムク板により「強度」を、その間にプチルゴムをサンドイッチにすることにより「適度な吸振」を狙います。
同時に、材料の節約と、美観も兼ねています。
写真は、一枚目のムク板です。

質感と音質の両立

二枚目のムク板を置いてみました。これなら、16cm級のスピーカーが楽に入ります。
これだけの厚みを持たせる理由の一つにスピーカーユニットの奥行問題があります。
240は意外とガラスとドア内張の距離が短く(ドアの厚みとは無関係)少々奥行きがあるユニットだと、ガラスを閉めたときに干渉してしまいます。
スピーカーの取付部分を手前にすることにより、奥行きを深くできます。
これにより、選択スピーカーを増やしています。いい音を出してくれるスピーカーはマグネットが強力ですから、奥行きがある傾向があります。

プチルゴム

オーディオ関係に手を出すと、この両面テープによくお世話になります。
振動を押さえる作用があります。カーオーディオにも応用がきくので必ず一家に一本です。

「人工芝テープ」としてホームセンターでも売られているので入手性も良好です。
今回は、秋葉原のスピーカー店で購入しています。

確信犯「その1」

上記のプチルゴムをサンドイッチ構造とする事に疑問を持つオーディオマニアさんもいることでょう。
スピーカーを自分で作ったことのある人なら判ると思うのですが、バッフル面にプチルゴムを貼ると音が濁ります。

たとえば・・・合板で制作されたスピーカーにブチルだけでツキ板合板を貼った場合ですね。

今回は、適度な吸振とするために、二枚の板の間にプチルゴムを挟み、それをビスにより強固に固定します。
これにより、振動は吸収するのに強固な素材が完成します。
ビスは、下穴を丁寧に加工してから取り付けます。

確信犯「その2」

これを、初めて目にする人も多いでしょう。
お椀のようなゴムがそれですが・・・
私は、これを見つけるまでは、「スピーカを取り付けてから、音を聞きながら背圧対策をしよう
」と思っていました。
ドアの中に山型のリブを置こうとか、吸音材を貼ろうなどと考えていたのですが・・・
これを見つけた瞬間に「ヤラレタ・・・」
わかる人は、わかりますね。これ一つで背圧対策は終了です。
詳しくは、下のコマで。

こうすると、仕組みが判りやすいですかね

例の、背圧対策の部品です。
この角度でみると仕組みが判りやすいですね。
車のスピーカーは、背後のスペースが十分に取れないため、中低音が背後に回り込みます。
これを、そのままにしておくと「スピード感がない」「濁る」などいった悪影響が出てきます。
この悪影響を及ぼす背圧をお椀により、横方向に拡散させてしまう代物です。

切っちゃいましょう

今までは、純正の10cmスピーカーが付いていたところに16cmを付けるわけですから、当然の事ですが「当たり」ます。
こんな物は、グラインダーで切り取っちゃいましょう。

「?」

ここまで、手をかけているのになぜキボシを使うのか判らないと言う人がいると思います。
当然ホームオーディオではこんな事はしませんが、ノイズか多い車内ではこの位は無視できるレベルです。
それ以上にメンテナンス性を重視しています。
だけど・・・この辺が確信犯なんですが・・・ ツィーターはキボシ使ってますが、ミッドレンジはダイレクトに配線しています。

確信犯「その3」

このスピーカーは通常は4本のビスで固定されるようです。
ですが、取付位置を工夫して6本で固定することにしました。
車内で聞いてわかる改善は、ビス一本でも見逃しません。

ツィーター

まずは、一般的な取付方をしています。
この取付方法と、取付位置は大きく音質を左右する部分ですので、じっくりと位置決めをしていきます。

こんな所にも確信犯が・・・

今回、採用したスピーカーは「インフィニティーのKappa 60.1CS」です。
秋葉原のカースピーカー専門店で、「耳」だけを信じて選んだスピーカーです。
私は、この分野(カーオーディオ)の知識がほとんどなかったのですが、好みの音質だったのでこれに決めました。
アメリカ製なのに「60mm」とは・・・
購入後に判りましたが、コヤツも確信犯でした。

完成です

手摺りの作成までした、スピーカーの取付ですが満足できる仕上がりとなりました。
手摺り部分は、この時点では完成していません。他の内装とのバランスを考えながら、今後とも作り込みが続きます。


私の音質の考え方

「音質」については、主観が多く入る所です。
一人一人が違うと言うことをわかっていただいた上で、私の好みを一言で言うと・・・「長く聞いていても疲れない音」です。

さらに、具体的に言いますと・・・
「透明感」「定位感」「つながりの良さ」となります。
スピーカーは2chしか考えていません。スーパーウーファー等の導入予定もありません。
コストイメージは以下の様になります。

スピーカーエンクロージャー > スピーカーユニット > アンプ > デッキ

極論を言いますと、アンプに10万円かけるよりは、エンクロージャー(スピーカーの箱)に5万円かける方が 遙かに、品の良い音質になります。
スピーカーは4chから2chにすれば、高級ユニットが手に入ります(同時に定位感も向上)

完全に、一般のオーディオ考と逆行してますね。

私から見ると・・・カーオーディオの世界は、メーカーやショップに踊らされていると感じます。
スーパーウーファーをいれると・・・ 不自然な低音を出すことになり。
3Wayにすると・・・音のつながりが悪くなり。
多チャンネルにすると・・・フロント定位が崩れ。
サラウンドを入れると・・・透明感、自然観が崩れ。

お奨めは・・・
5〜20万円の自分の耳で決めたフロントスピーカーの購入。
3〜15万円で、2chのアンプを購入。
1〜10万円で、CDヘッドユニットを購入
十分なデッドニングを行う。

最後に・・・音質は主観で選ぶ物です。これが絶対という法則はありません。


使用する塗料1(サンディングシーラー)

ミラーフィニッシュ仕上げとするためには、平滑な塗装面を作る必要があります。
水研ぎ工程をするために、研磨可能なクリアー下地塗料を用います。
通常のラッカー仕上げとするなら不要です。
主剤と硬化剤を1:1で混合してます。
約8時間で、混ぜた塗料は使用不可になるので計画的に塗装作業を進めましょう。

使用する塗料2(仕上塗料)

通常のクリアー仕上げなら、この仕上げ塗料一発でも十分です。
3回も厚塗りすれば必要十分なテカテカ感が楽しめます。

使用する塗料3(ウレタン2液塗料)

自動車内で使用することから、塗装には過酷な条件が課せられます。
ホームセンター等で販売されている、ウレタン塗料(1液型)では経年変化による塗面の黄変が心配です。
ここでは、黄変に強い2液型を選びました。
この塗料は塗料店で一般的に販売されている塗料です。ハケ塗りでもそれなりになりますから、予算が合えばチャレンジしていただきたい塗料です。
注意! 写真は専用薄め液です。

サンディングシーラー1回目

前工程として、#400で水研ぎをしておきます。
一般的には#280位でも十分なはずなのですが、手持ちの淡水ペーパーがこの番手からだったので#400です。
一回目は、特に小口の吸い込みが激しいので小口には丹念に塗っておきましょう。
後工程で研ぎますので、ハケ塗りでOKです。

研磨1回目

十分な乾燥時間(一昼夜)を置いてから、中塗(サンディングシーラー)の研磨を行います。
研ぎだして行くと、次第に表面の凹凸がわかってきます。塗料でパテ埋めをするイメージです。
十分な平滑性が出なかったため再度中塗りと研磨を行います。

仕上げ塗り&研磨

この作業は、時間と手間はかかるのですが、写真として見た場合はつまらないので・・・文書章でいきましょう。(写真は、スプレーガン塗りの3回目です)

仕上げ塗り−スプレーガンで5回
完全硬化後に研磨に入ります。


研磨

淡水ペーパーを用いて、塗面を研磨していきます。
使用するのは、 #400、#600、#1000、#1500です。
その後、コンパウンドをキッチンペーパーにつけて研磨していきます。

この作業は、根気を必要とします。
適当な機械が手元になかったので手作業で研磨することになりました。
普通の人が作業すると研磨だけ(200mm×200mm位の大きさ)で半日はかかると思ってください。

心霊写真ではありません。

全塗装工程を終えると、塗面は完全な鏡面となっています。
写真は、取付途中に撮ったので良く撮れてませんね。
真正面から見ると髭が剃れそうな位の鏡面です。




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