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ファンタジスタの皆様
ファンタジーの球根輸入の話を続ける前に、1つだけ復習していただきたいことがあります。
それは、日本の植物防疫所で行われる輸入植物検疫についてです。
まずはこちらをご覧ください。
輸入植物検疫について(植物防疫所のホームページより)
植物の病害虫が外国から侵入することを防ぐため、貨物、携帯品、郵便物などにより輸入される植物について輸入植物検疫を行っています。
輸入植物検疫の対象は、病害虫の付着する可能性がある栽培用植物(苗、苗木、穂木、球根、種子など)、食用の野菜や果物、観賞用の切り花、木材、その他乾燥した植物などの植物の他、生きた昆虫・微生物など極めて広範囲にわたっています。
特に、日本に万一侵入した場合には大きな被害が予想され、かつ輸入時の検査ではその発見が困難な病害虫の主な寄主植物や多くの病害虫が潜んでいる危険性の高い土、生きた病害虫そのものなどは日本への輸入が禁止されています。
このように植物防疫所は、日本の農作物を外国の病気や害虫から守る仕事、すなわち私たちの食生活を守る仕事をしてくれているのです。
しかしこの心強い味方が、今回ばかりは敵になるかもしれない状況。
これがファンタジーの球根輸入だったのです。
もし植物検疫の際に土や虫が見つかってしまったら、せっかくの球根は没収処分になってしまうのですから。
だからこそ、どうしても植物に扱い慣れた協力者をイギリスで見つける必要があったのです。
ではつづきをどうぞ。
竹下大学
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まずは、真吾さんと私から頼まれてしまった横山さんのプレッシャーのことをお伝えしておかなければなりません。
単なる物の輸出ではないのです。
やっとのことで探し当てた、日本の私たちの手に届くまであと一歩のところまできたファンタジーの球根
なのです。
これを無事真吾さんの手元に届けるというスペシャルミッション。
私たちとってはファンタジーダイヤモンドとでも呼びたいぐらい貴重なもの。
2人のジョンが未来のために遺してくれた特別な花。
既に15年以上も前に商業生産が打ち切られていた幻のフリージア。
今後世界に広がるであろうラブ&ピースの活動の象徴。
お金で換算できない価値があります。
きっとトム・クルーズでも尻込みしたことでしょう。
横山さんは花の生産者でもあり、花の育種家でもあります。大きな志を抱いた熱い男です。
ファンタジスタの活動を見守ってくれていた彼は、当然ながら私たち一人ひとりの願いの重さを知りつつも、2つ返事で引き受けてくれました。
さて、横山さんが引き受けてくれたことで、私はこの時点ですっかり気が楽になってしまっていたのです。
(反省・・・)
私がしたことと言えば、真吾さんに直接連絡するのは畏れ多いという横山さんにメールや電話で状況を尋ねるばかり。
(大反省・・・)
『どう? 協力してくれる人見つかった?』
『ええ。今送り方について調べてもらっているところです。』
『そう。頼むね。』
『その後、どう? 何とかなりそう?』
『まだ返事が無くって・・・。』
『そっかぁ・・・。連絡来たら教えてね。』
真吾さんへは私から連絡を入れていたのですが、だんだんと連絡しづらくなっていきました。
『どう? 連絡あった。』
『ありましたけど。ちょっと問題ありで・・・。』
『それならこうすればなんとかなるんじゃないかな。もう1度頼んでみてくれない?』
『はい・・・。』
真吾さんの方からも私に訊きづらくなっていたようで、この間しばらく全く連絡を取らない時期がありました。
『あの線ではどうだったかなぁ?』
『説明はしたんですけど、その後返事無しで。』
『そうなんだ・・・。』
『どうも面倒くさくなってしまったようなんです。これ以上彼に頼むのはちょっと・・・。』
『・・・・・。園芸業界の将来もかかってるんだから、横山さんの力で何とか頼むよ。』
『・・・・・。別の人を当たってみます。』
しか~し、イギリスに知人が多い横山さんをもってしても、すんなりとは協力者を見つけられなかったのでした。
以下は、その頃横山さんから届いたメールの一節です。
『僕なら簡単にはできないなんて言わない。言えない。』
私はこんなにまで横山さんを追い込んでしまっていたのです。
(大大反省・・・)
ひょっとしたら職業柄、気づかずに尋問口調になっていたかもしれません・・・。
(大大大反省・・・)
ダブルファンタジーのブログのコメント欄を読んだら、そう気安くは引き受けられませんよね。
もし植物防疫所で没収処分になってしまったら、相当な自責の念に苛まれることになることは誰でも簡単に想像できますから。
『今どんな感じ?』
『やっと頼める人が見つかりました♪』
『えっ、見つかったの! 本当に?』
『見つけましたよぉ!』
『ありがとう! さっすが~! やったぁ♪』
『いやぁ、ホッとしました♪』
『そうだよね。申し訳なかったね。独りにプレッシャーかけちゃって。
でも、真吾さんがメチャメチャ喜んでくれるからさ。
ブログで真吾さんに紹介されたら、ファンタジスタも放っておかないよ、きっと。』
『いやぁ、いいですよ。そんなこと。』
『そんなこと言わずに出てよ。色んな人に登場してもらいたいって真吾さん言ってるし、若い育種家が出てくれたらもっと盛り上がるからさ。』
『・・・・・。じゃあ、お任せします。』
『で、その人どこの人? 生産者?』
『ウィズレーガーデンの研修生で、日本人です。』
『ウィズレーの人かぁ♪ それなら全く心配ないね。早速真吾さんにその人の連絡先を教えてくれる?』
『はい、わかりました。』
そんなこんなでついにファンタジーの球根が日本にやってきたのでした。
快くこの大役を果たしてくださった方は、山田さんというそうです。
山田さん、横山さん、本当にありがとうございました。
何もかもおふたりのお陰です。
今日だけはこの場をお借りして、ファンタジスタを代表して私からお礼を言わせてください。
すずめファンタジーが真吾さんの手元に届いたのが10月8日。
真吾さんからの喜びの電話をもらった後で、私もすぐに横山さんに電話をしました。
もちろんお礼の電話です。
そうしたら横山さん、こんなこと言ったんですよ。
『そんなぁ、いいですよ。僕は何もしてませんから。』